第3回 小川義文監修 花の写真FBグループ展
参加メンバー インタビュー


#file 01:添田 まさ江

きっかけは2015年の夏。

1回目のグループ展に知人が出展しているのを観に行ったことが、私が花の写真を撮るようになったきっかけでした。写真家でもない知人が、表参道のギャラリーに写真を展示していると言うので、興味半分で観に行きました。
私は写真よりも花が好きだったので、真っ白なギャラリーいっぱいに展示された花の写真の美しさに、ただただ見入りました。しかも、ほとんどのメンバーの方が写真に関してはアマチュアだというのが驚きでした。とてもアマチュアだと思えない美しい写真ばかりでした。
その時会場で、来年も開催するかもしれないと言うお話をお聞きして、主宰者の小川先生とFB友達になりました。ちょうどその頃、いろいろなことも重なっていたので、ちょっと新しいことにチャレンジしてみたいというような気持ちもあったのだと思います。
 

FBグループ内で半年間に渡るトレーニング。

その年の12月に第2回目のグループ写真展のメンバー募集が始まり、すぐに定員が埋まってしまうとお聞きしていたいので、とっさに申し込みました。それから約半年間に渡って非公開のFBグループ内でのトレーニングを経て、月に1回開催されるワークショップを実体験して、少しづつ花の写真を撮ることに慣れていきました。もっとも私の場合は、まず最初にカメラを買うところから始めました。 でも、いざ、写真を撮ろうとすると、難しいことが分かり、5月末の出展作品締切までは本当に苦悩の日々でした。
それまではスマホで写真を撮るくらいでしたから、デジカメの操作の仕方も分からないでしょ。でも「プログラム(オート)モードで撮ればいいんですよ」と教えていただいたので、カメラの操作に煩わされることはないようにして、できるだけ花を見つめる時間を大切にしました。
 

光と影、半逆光。

小川先生から何度も繰り返し教えられたのは「光と影、そして半逆光」ということでした。どちらも私には初めて聞く言葉で最初は分かりませんでしたが、実践的なワークショップでその瞬間を見せていただくことで、あっ、そういうことかと分かり始めて、そのようなシーンを自宅の中でも探せることに気が付きました。それまでに要した時間は3ヶ月くらいでしょうか。
それとなにより得難い経験は、多くのお友達と出会えたことです。多分、このグループに参加しなかったら出会うこともなかった方たちと出会い、花の写真を撮るという共通の目的に向かって学び、努力するという価値の共有ができたことがとても楽しく、嬉しかったです。様々な年代、お仕事の方がいて、そんなみなさんのお話をお聞きするだけで、私のような専業主婦にはとても得難く、本当に貴重な時間となりました。
 
今年の夏、ぜひ、みなさん、代官山のヒルサイドテラスへいらっしゃってください。きっと今までにない美しい花の写真展をご覧いただけます。


#file 02:塩川千賀子

カメラじゃない、光の見極め方を学びました。

写真は自分なりに何年も前から撮っていました。被写体は子どもたちの部活動やそれが高じてプロスポーツ、風景が多かったのですが、このグループに参加して「花」だけを撮り続けるという、私にとっては初めての経験をすることができました。
今まで通ったことのある写真教室とは違って、カメラの操作や設定は触れず、光の見極め方だけを指導頂きました。そこが主宰者の写真家・小川先生の「小川メソド」の面白さです。たしかに今のデジタルカメラはオートできれいに撮れます。多少の演出をするとすれば、露出補正くらいで充分。なによりも重要なことは、どんな光を探すかということを教えていただけたことが、今まで「どんな機材でどのように設定すればよいか?」を気にしていた私にとって新鮮な学びでした。カメラもコンデジで充分だという理由もそこにあることがよく分かります。
私は長年一眼レフを使い慣れていたので、新たにコンデジを使うことをしないで、操作性に馴染んだカメラを使用しています。でも、写真はカメラではない、光の見極めなんだということが、先生の出された花の写真集「MOMENT OF TRUTH」を見てもよく分かります。この写真集が私たち生徒にとっての教科書になっています。「5分で生けて、コンデジで撮る」というシンプルなコンセプトで撮られた写真を何度となく見ては、家の中の光の具合を見比べる、そんな時間を毎日の生活の中で持つことで、光の見方を身につけることができます。
 

テーマを決めないと撮れない自分がいる。

私の場合普段、スポーツや風景と、その場でその時間にしかチャンスがないのも撮ることが多いので、「追う」撮影が多くなります。「何を撮るのか」をある程度明確にしないと、なかなかいい写真を撮ることができませんが、被写体が明確です。場所を確保して、その日の雰囲気を確認して、その時を追いかけるーー。スポーツでも風景でも被写体の持っている力に感動しながら撮っています。
でも、動きのない花を撮るためには、何を表現したいのか、そこを明らかにしないとなかなか写真を撮るまでのゴールに近づけない。初めて参加した去年のグループ展では、まず数をこなそうと撮っていました。メンバーの方々のお写真が「作品」になるにつれ、迷い、もがき、やっと「青」をテーマにしようという答えにたどり着くことができて、青い花、花の青を何とか作品に仕上げることができました。今回で2回目の参加ですけど、実はまだテーマが見つかっていません。花の写真を通して、何かメッセージのようなものを表現したいので、その何かを今でも探しています。
「追う」撮影は好きだけれど、今年の花の撮影はもっとイメージがクリアになってから撮りたい。一方、テーマが固まらなくてなかなか作品撮りに進めず時間ばかりが過ぎて苦しい。そんな時間を少しは楽しめるようになってきたと最近は感じるようになってきたので、それも少しは成長しているのかなとも思っています。
カメラの性能や技術論ではなく、自分の言葉できちんと語ることのできる花の写真を夏までに完成させたいと思います。だって、代官山のヒルサイドテラスのギャラリーで展示できるなんて、アマチュアにとっては夢のようなことなんです。


#file 03:中川京子

音楽以外の趣味を。

もう何年も前になります。幼稚園からの帰り道、いつもギュッ!と繋いでた私の手を、息子が自らほどいた瞬間を今でもはっきり覚えています。私はその時、10年後、歌手への復帰を心に決めました。そして少しずつ喉のトレーニングを再開し始めました。
子どもたちの成長と比例するように、自分が歌手として成長できるように、子どもたちが徹夜で英単語を覚えるそばで私は楽譜を覚えていきました。40歳の頃からでしょうか、自分の器・環境・立場相応のフィールドで、自分なりに歌手としての道を歩んで来ることができました。でも、50歳を迎えた時、喉のトラブルに見舞われ、その時「果たして5年後の私はまだ歌っていることができるのだろうか」と考えました。歌えなくなったら私に何が残るのか。音楽以外の趣味を探しておこうと思うようになりました。
 

FBグループ内投稿が楽しくてたまらない。

小川義文先生とのご縁が写真との出会いになりました。第2回目の「花の写真FBグループ展」に参加したことで、Facebookが楽しくなりました。特に「花の写真FBグループ展」メンバーだけの非公開投稿サイトでの日々の交流は、真面目あり、冗談あり、何でもありで楽しくてたまりません。
昨年は、写真展仲間として出会ったご縁が楽しい企画やお仕事にも発展していきました。ここで出会った仲間は、生涯の友となることは間違いないと思っています。
肝心の花の写真は、いざ撮り始めてみると、指紋、花粉、水滴、気泡、埃との戦いから、背景の問題、光のタイミング、、、今まで気にもとめなかったことが大切だと分かり、シャッターを押すまでに疲れ果ててしまう現実が待っていました。
撮ることにまだ慣れていない私には、かなりの集中力が必要でした。ならば!ということで、昨年は出張の度に三脚、カメラ一式、花器や巨大クリップを宅配便でホテルに送りました。ホテルの大きな窓や壁、カーテン、ベットカバー、家具を利用しながら 七転八倒で花の写真を撮影しました。
 

多くのみなさんに感謝です。

実は、まだカメラもレンズも借りもののままです。自分が欲しいカメラがまだ分からないのです。見つかるまではと、高価なカメラやレンズを心よく貸して下さっている先輩方には感謝です。写真のこと、カメラの操作やパソコンのこと、分からないことを親切丁寧に教えてくださる先生方や先輩方にも感謝です。
Facebookのグループ内に投稿すれば「いいね!」を押して暖かく励ましてくれる仲間に感謝。光が射すと太陽に感謝。雨の日さえも、叙情的な光を生んでくれる雲に感謝。そんな自分に正直驚いています。そして何よりも、「写真」「仲間」というキーワードで私の人生にプラスワンの機会を与えて下さった「Tokyo Days」に感謝しています。


#file 04:眞家 タカシ

テーマを決め、作者の視線を滲ませる。

花の写真を撮ることで一番大切なものは何かと振り返れば、「テーマ」です。
写真を撮るために主役である花、それを引き立てる花器や添えモノ、背景や光の当て方。そして写真を撮る者としての技量。それらが全て揃っていればいい写真が撮れるかと言えば、ノーです。それだけでは綺麗な写真を撮ることができても、観ていただく方の心に届けることはできないと思います。
撮る者が何に感動したのか、何を伝えたいのか。作者の視線を作品に滲ませることが必要だからです。そのためには「テーマ」こそ始めに考えるべきことなのです。
このことを小川師匠から早い段階から叩き込まれるわけですが、3回目の参加でその重要さと難しさに悩まされています。それと同時に写真の本当の魅力が少しだけ見えてきたのかもしれません。
 


感動を言葉に、言葉から触発されるイメージ(画像)へ展開する。

これも初回からの小川師匠の教えです。
テーマが決まり、いざ写真を撮ろうと花を買う場面からいつもこの言葉を意識します。花を買う場面がその花に抱く感動の第一歩だからです。心を動かす花との出会いがあり、撮影時に花をあらゆる角度から見つめ、感覚を研ぎ澄ます。そんな中で抱いた感動は言葉に、そしてその言葉に触発され、イメージに変わっていきます。イメージがはっきりできた時の撮影はよい結果をもたらすことは言うまでもありません。そこに至ることはそう易しくないのが苦悩に繋がるのですが(笑)。
花の色彩はメーキャップであり、造形はヘアスタイリングに見えてきます。色彩や造形のバランスはヘアメークで培われた感覚がそのまま表現されるということに気がつくのも、ずいぶん時間を要しました。花選びはモデル選びと似ていて、完成された美しい花にはあまり魅力がなく、撮り方で色んな側面が垣間見えてきます。そんな新しい魅力を見つけることができるものに惹かれます。
 


写真を観てもらうことの喜びと成長。

私達はこの写真展に参加を決めた日から、Facebookの非公開投稿サイトで作品発表の機会を持ちます。納得できる作品が撮れた時はそのサイトに投稿し、ともに切磋琢磨する仲間に観てもらい様々な意見をいただきます。このことは当然恥ずかしさがあるのですが、上達とともに喜びへと繋がります。作品を観ていただくということは、自己表現に他ならないからでしょう。
基本的には作品のよいところをコメントしていただきますが、その言葉に励まされ、次はこうしてみよう、ここがまずかったからもう一度リベンジしよう、などと反省から次に繋がっていきます。
学生時代時代の部活や同好会のようで、毎夜楽しみとなり、いつの間にか同じ釜の飯を食う仲間となり、切磋琢磨の毎日から成長していきます。こんな場がこの歳になって味わえるとはまったく思っていませんでした。
 

代官山ヒルサイドテラス。

若い頃の憧れの街、代官山。そのお洒落の発信基地であるヒルサイドテラスにて写真展に参加できることは、光栄であると同時に身が引き締まる思いです。これまでの2回に比較しても、より一層研ぎ澄ませた感性で作品作りに臨んでいます。たくさんの人に観ていただくこと、感想をいただくことは今後に繋がります。ぜひ足をお運びいただきますことを願っております。


#file 05:浅間 純一

海外での駐在経験が写真との出会いのきっかけ。

私が写真に慣れ親しんだのは、1980年代後半から7年間ほど過ごしたキヤノンのドイツ駐在時代でした。当時、日曜・祝日はお店は閉店、土曜日も14時までしか開いていないという状況にカルチャーショックを受け、週末はちょっと郊外に足を延ばして自然や歴史、文化のある町を訪れるという習慣が身につきました。ドイツはアウトバーンを始めとする高速道路網が整備されていますので、車で1時間も走れば簡単にオランダやベルギーに行けます。片道300㎞程度なら日帰りも楽にできます。
ちょうどその頃発売されたばかりのオートフォーカス一眼レフカメラ「EOS」を、会社のカメラ部門の先輩に勧められ購入し、どこにいても絵になる光景が広がるヨーロッパの風景写真を撮るのが余暇の過ごし方の楽しみのひとつとなりました。 その後、アメリカ駐在となってからは、自分の業務としてカメラやプリンタのビジネスを体験する機会に恵まれ、ちょうどカメラのデジタル化やプリンタの技術革新が急速に進む中、様々な技術的要素と課題を学ぶことができました。
同時にメーカー内ならではの「本音」にも触れながら、スペックとは別の要素も多々あることも理解しました。日々の出張では必ず最新のコンパクトデジカメを携帯して、市場で動いている生の情報を記録し、まとめたものを本社に伝えることを習慣にしていたので、「表現したいこと」や「伝えたいこと」を画像にする感覚が培われたかも知れません。
 

Facebookで小川さんとの出会いが変えた。

数年前の転職を機に、新たな自分を発見する試みのひとつとして写真撮影を再開しました。ちょうど始めたばかりのFacebookで写真を投稿するスタイルにマッチし、自分らしさを表現する手段として、また共通の趣味や価値観のある友人達との交流の場として、自分で撮った写真を活用し始めました。
そんなFacebookを通じて師匠の小川義文プロと偶然知り合うことができ、ちょうど小川さんが出版された花の写真集のイベントで初めてお目にかかり、運よく「第1回花の写真FBグループ展」に参加する機会に恵まれました。
 

今では私にとって素晴らしい財産です。

それまで花が主役の写真というのは全く縁がなかったのですが、ワークショップでの小川さんの教えは、光の捉え方、ピントの位置や精度、絞りによるボケの調整、背景の撮り方等々、写真撮影の基本が十二分に詰まっていました。これまで未経験だったマクロレンズを入手したり、より高いピント合わせのための三脚使用など、写真撮影に必要な要素を理屈ではなく実際に体験しました。また、Facebookの非公開グループサイト内で、他のメンバーからコメントをもらうことで、さらに生きた学びに繋がります。そして何よりも、「テクニックや機材以上に美しい光を見つけることが最も重要である」という小川さんの根底にある信念に共感するところが大きいです。
個性豊かなメンバーと日々切磋琢磨しながら、しかもプロ・アマ問わずフラットな関係での交流の場は今や私にとって素晴らしい財産です。
 


#file 06:江渡 裕美

もっと自由に撮っていいんだ、というところへ何とかたどり着けた今。

初めて参加した去年に比べると、今回は気持ちがずいぶん楽です。
と言うのも、最初は小川さんの写真に近づけようとしていました。花の写真集「MOMENT OF TRUTH」がお手本だと思っていたので、その写真の世界観に近づくことは自分のテクニックでは難しく、随分と苦労しました。何とか作品を2点出展しましたが、展示会の期間中に小川さんやいろいろな方とのお話しして、「仕事でやってるんじゃないんだから好きに撮れば?」と言われ、はっとし、「もっと自由に撮っていいんだ」とちょっと気が楽になりました。
でもそこにはまた次のハードルが待ち受けていました。それは、自分が何を伝えたいのか、どう表現したいのかという、もっと本質的なテーマが必要なことに気づきました。
実はそれまではそういった本質的なテーマまであまり考えたことがなく、単にテクニックを磨いて被写体を「美しく」撮りさえすれば、「美しい」作品ができるのだとばかり思っていました。
今年もすでに何回か行われたワークショップで、お花のいけ方や光の見極め方などアドバイスいただいたことで、花と向き合う時間を大切にしたり、自分が何を伝えたいのか、何を表現したいのか、そういったことをていねいに考える時間の大切さが分かるようになってきました。
 

あの小川さんがどんな花の写真を撮るんだろう。

実は、10年くらい前に花の写真を撮ろうと、カメラ・写真にのめり込んだ時期がありました。良いカメラやレンズを使ったら良い写真が撮れると思ってカメラを買い、写真教室へ通いました。だって知り合いのカメラマンはみんな良いカメラを使ってるから……。案の定、それだけではゴールには辿り着けませんでした。
しばらく花の写真から遠ざかっていた時に、自動車写真家の小川義文さんが花の写真集を出したというのを聞きつけました。小川さんはどんな花の写真を撮るんだろうと、俄然興味が湧き始め、花の写真への思いが再び目覚めました。小川さんのことは私が自動車雑誌社にいた頃から知っていて、「NAVI」に掲載されている艶ややかで空気感のある写真が大好きでした。
たまたま出版記念パーティにお邪魔できたのですが、その時の参加メンバーの顔ぶれを見て、正直おじけづいてしまい、1回目のグループ写真展には参加しませんでした。小川さんの写真集に収められているような花の写真は、自分に撮れないと分かっていたからです。しかし、その夏に開催された第1回目の写真展を観に行って、そういうことではないということが分かりました。プロやアマチュアの方が垣根を超えて、みなさん、花の写真を自由に楽しんでらっしゃる姿がとても新鮮に感じました。
 

自分が何を表現したいのか、その答えは代官山で。

写真展に向けてのワークショップでは、小川さんが身近で教えてくださいます。その教えの根源にあるのが「光と影」です。そして、「花と向き合う」ことの大切さもようやく分かってきたように思います。あとは、自分が何を表現したいのか、その答えが明確にできたら、きっと納得のいく写真が撮れると信じています。しかし何よりも、楽しんで撮ることが一番大事なんだと実感しています。
6月の代官山で、ぜひご覧ください。


#file 07:吉川 正敏

論理的思考の中にも感性が。

私は長い間、日産自動車でスカイライン、GT-R、Zなどのスポーツカーやスポーツセダンの開発を担当してきました。
クルマの開発というのは、論理的思考の世界で、いろいろな性能や機能を開発するために、できるだけ定量的なデータで目標が設定されていて、ボルト1本のサイズまで理屈が通っています。しかし、すべてのことがデータで説明できるわけではありません。実際、計測データの数値が優れていても、人間の感性でよいと感じないこともあるのです。そういう時は、評価ドライバーとエンジニアが、自分たちの感性でよいと感じる現象や性能を分析し直す必要があります。でも数値で説明できない現象を、お互いの感性で理解を一致させるというのは、そう簡単ではありません。まず価値観を揃えることから始めないといけないこともあります。評価ドライバーが見つけた「よいクルマ」と感じる現象を、開発メンバーが共有化して、知恵を絞りあって、具体的にブレークダウンすることで、さらに優れたクルマが開発されていくのです。
私は論理的思考の世界で、人間の感性の素晴らしさを感じながらクルマ作りの仕事ができたことが、とても幸せな時間だったと思っています。
 

自分自身が写し込まれる写真。

カメラも機械装置でありながら、自分の感性との接点となる道具として、ちょっとクルマに似ています。私にとっては、シャッターボタンがアクセルペダルで、レンズのフォーカスリングがステアリングホイールという感覚でしょうか。クルマを自分の思い通りに操る爽快な気分を実感すると、自分の感性とクルマが一体になった気分になります。
私はまだ、さほどカメラを自分の思い通りに使いこなせていないのですが、それでも、シャッターボタンを押した瞬間に、自分の感性が求めていた一瞬をとらえた感動が何回かあります。それは、写真の出来のよさ悪さとは別に、個人的な思いへの達成感を感じる瞬間です。そうして撮った写真には、なぜそうなるのか分からないのですが、何かしらその瞬間の自分の感性が、写し込まれているように感じます。朝陽に当たる花を見た時の清々しい気持ちや、濃い色の薔薇の妖艶な魅力に惹かれている気持ち、好きなクルマが颯爽と走る姿を見たときの気持ち、その時その時の自分の気持ちが写し込まれることが分かると、写真を撮ることがグッと面白くなってきたのです。
 

自分自身を見つめ直して見よう。

花の写真展も3年目で、今年は代官山ヒルサイドテラスという夢のような大舞台。作品提出に向けて次第にプレッシャーが高まる中、夢中になって写真を撮っていることが、自分自身の活性化になっています。
でも、知らなかったことが一つずつ分かるたびに、技術的なことよりも、見る目や感性が大事だと改めて思ってしまいます。感性は磨くというよりは、今の自分自身を見つめ直して、自分の個性を理解して大事にすることかもしれません。ならば長年、クルマの開発で培ってきた自分自身の中にあるモノの中に答えの鍵があるかもしれない。そう思うと、少し楽観的になってきました。
そんなこんなで、ますます写真を撮ることが楽しくなっている毎日です。6月の花の写真展、私たちの作品を、ぜひ多くの方々に見に来ていただけると嬉しいです。